【備忘録】キャラクターの顔をスカルプトする
Blenderでキャラクターの顔をスカルプトします。
自分は顔の原型だけスカルプトして、体はMakeHumanのモデルを使用しているので体もスカルプトで作りたい方はyoutubeなどで解説を探してみてください。
この動画で顔のスカルプトについて軽く触れているので参考までにどうぞ。
【資料の準備】
リアル風の顔を作りたい場合、自分のような初心者は資料がないと詰みます。
資料がないと、頭の中のイメージと実際にできてくるもののイメージがどんどん乖離してしまうからです。
なので作りたいキャラクターのイメージに近い役者さんやモデルさんの写真を見ながら作ります。
写真資料では足りない場合は、時に鏡を見ながら自分の顔を穴が開くほど観察したり、実際に凹凸を触って確認したりもします。
また、すでに他のモデルを作っている場合は、サイズやバランスがおかしくならないように隣に並べて置いておいたりします。
【大まかなスカルプト】
立方体を二つ作ります。
これはそれぞれ頭蓋骨の上顎から上と、下顎になります。
ちなみにオブジェクトの移動やサイズ変更は編集モードから行うようにしてください。
オブジェクトモードで行うとメッシュごとのスケールがバラバラになってあとから変なことになります。
この後もサイズや位置を変更するときはすべて編集モードで行います。
モデファイアでサブディビジョンサーフェイスを追加します。
ビューポートとレンダリングの数値をどちらも2にします。
∨を押して適応を選択します。
下顎のオブジェクトをShift+Dで複製して縮小して鼻も作っておきます。
スカルプトモードでグラブブラシを使って大まかな形を整えます。
バランスを取りやすくするために円柱で頚部も作っておきました。
同じように上唇と下唇を追加してスカルプトしたものがこちらです。
目だけはUV球で作りました。
目の作り方は
こちらのブログ記事を参考にしてください。
ちなみに3Dビューのシェーディングでカラーをランダムにすると…。
どのようにオブジェクトが分けられているかわかりやすくなります。
ここまで出来たらオブジェクトモードで右クリックしてスムーズシェードを選択しておきましょう。
【サブディビジョンサーフェイスを適応する際の注意】
最初にサブディビジョンサーフェイスを適応するときにメッシュを細かく分割しすぎた場合…
ちょっとだけ変形したい…という時にこんな感じで一部が突出してしまって逆にスカルプトしづらくなります。
なので最初は少ない分割で形を整えていく方がおすすめです。
【細部のスカルプト①】
右上のシェーディングモードをワイヤーフレームにしてメッシュの細かさを確認すると…。
結構メッシュの網目は荒くて、このままでは細かい彫刻はできません。
メッシュの網目を細かくして、細部を作りこめるようにします。
メッシュを細かくする方法にはサブディビジョンサーフェイスやマルチレゾリューションもありますが、今回はスカルプトモードでメッシュサイズを変更する方法を採用します。
というのも、サブディビジョンサーフェイスやマルチレゾリューションは元のメッシュを分割する機能なので、元のメッシュが不均一の場合、分割したメッシュも不均一になってしまうんですよね。
適当ですが、例えばこんな感じにメッシュが分割されている場合…。
サブディビジョンサーフェイスやマルチレゾリューションではこうなります。
メッシュサイズが均一でないとスカルプトしづらくなります。
スカルプトモードではこのようにメッシュサイズを均一に変更することができます。
やり方はこう。
スカルプトモードでRを押すと網目と数字が出てくるので、マウスをドラッグしてメッシュサイズを変更します。
今回は0.005mにして画面のどこかをクリックします。
クリックすると網目と数字は消えますが、まだメッシュサイズは適応されていません。
Ctrl+Rを押すとメッシュサイズが適応されます。
ワイヤーフレーム表示にしてメッシュサイズが変更されたことを確認しましょう。
ちなみにこの方法は、穴の開いた立体や平面など、閉じていないメッシュで実行すると穴だらけのメッシュになってしまうので、必ず閉じたメッシュで実行しましょう。
…集合体恐怖症の方にはなかなかきつい見た目になります。
そんなこんなで顎や鼻、唇の形、頬のふくらみなどの形を整えました。
この段階ではまだ輪郭を整える程度で、目のふたえや鼻の穴やキワ、唇のM型などはまだ作りこみません。
【各オブジェクトを結合する】
各オブジェクトをブーリアン結合で結合します。
「統合」ではメッシュが重なっている部分はそのまま残ってしまって、スムーズブラシで均そうとしてもつなぎ目が残ってしまいます。
ブーリアン結合ではメッシュが重なっている部分は消えるので、スムーズブラシで均すとメッシュのつなぎ目がきれいに滑らかになります。
また、結合するオブジェクト同士のメッシュサイズが同じくらいでないとうまくいかないので、スカルプトモードのRでメッシュサイズが同じくらいになるようにしておきましょう。
モディファイアでブーリアンを追加します。
合成を選択してオブジェクトに合成したいオブジェクトを選択します。
∨を押して適応を選択します。
メッシュの形状によってブーリアン結合がうまくいかない場合があります。
…こんな感じで合成したオブジェクトが消えます。
モディファイアのソルバーオプションを開いて「自分自身と交差」や「穴を許容」にチェックを入れるとだいたいうまくいきます。
結合直後はつなぎ目がまだ目立つので、スカルプトモードのスムーズブラシで少し均しておきましょう。
その際、スムーズブラシの強さは0.2~0.3くらい弱めにしておきましょう。
【細部のスカルプト②】
目以外をすべて結合しました。
スカルプトモードでメッシュサイズを0.002mにします。
細部のスカルプト①では後回しにしていた作りこみをやっていきます。
(鼻のキワ)

ドローシャープのマイナスで彫り込むとやりやすいです。
(唇のM型)
削り取り(マルチプレーン)を使うと淵がくっきりできます。
上唇と下唇の境界を作りたいのですが、メッシュサイズが0.002mでは大きすぎて境界が作れません。
この場合、ダイナミックトポロジーのチェックを入れてサイズを2.00pxにします。
簡略化ブラシを選択して唇の境界をなぞるとなぞった部分のメッシュが細かくなります。
この状態でドローシャープのマイナスを使って唇の境界を描いていきましょう。
(目元)
ドローシャープでまぶたのふちをくっきりさせます。
クレイやクレイストリップのプラスで目の下を膨らませて涙袋を作ったり、マイナスで目頭をくぼませたりします。
目の上もダイナミックトポロジーでメッシュを細かくしてから、ドローシャープのマイナスやピンチでふたえを作ります。
【最終結果】
肌色のマテリアルを仮設定するとこんな感じになりました。
レンダリングモードはCyclesです。
スカルプトはいきなりやってもなかなかうまくいかないので、何度か練習することが大切だと思います。
自分は習作含めてこれが9回目です。
ちなみに初めてスカルプトした習作はこちら。
一応人の頭の形はしていますが…って感じですね。
まあ見る人が見れば1回目も9回目も変わらないかもしれませんが;
スカルプトした顔は頂点数が多すぎてこのままゲームに使用することはできないので、次はリトポロジーを行います。
ちゃんとモデリングする人はこの後リトポロジーするのですが…実は自分はリトポロジーが苦手すぎてやってません。ズルしてます。
どういうズルをしているのか…。本来のリトポロジーとはどんなものなのかはまた別の記事にしたいと思います。
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